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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻11号

1983年11月発行

文献概要

臨床報告

同名半盲を呈した多発性硬化症3例とそのCT所見

著者: 有門卓二1 有賀浩子1 加瀬学1 長田廉平1 田代邦雄2

所属機関: 1北海道大学眼科学教室 2北海道大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.1427 - P.1432

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 臨床経過中に同名半盲を呈した多発性硬化症3例を経験した。症例1は35歳女性で視神経炎を初発症状とし,その4カ月後に右同名半盲を呈し,さらにその4ヵ月後には多彩な大脳巣症状が出現した。症例2は25歳男性で脳幹・小脳症状を初発症状とし,その精査中に右同名半盲が検出された。症例3は26歳女性で視神経炎をくり返したのち右同名半盲が出現した。いずれも厚生省特定疾患多発性硬化症研究班の診断基準による確定症例に一致するものであった。
 さらに3症例に対してCT-scanを行ったところ,症例1と2では後頭葉白質に,症例3では左三角部周囲白質に限局性低吸収域がみられた。これらのCT上の所見と臨床症状はよく一致し脱髄性疾患に対してもCTは有力な補助診断法のひとつと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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