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臨床報告
帯状を呈した特異な黄斑発生異常
著者: 田中隆行1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.1457 - P.1462
文献購入ページに移動 31歳の女性と25歳の男性に入られた眼底病変についての臨床所見を報告した。この眼底所見は,中心窩反射・黄斑輸状反射および正常の黄斑の色調を欠きながらも網膜血管の異常は少なく,乳頭から黄斑および黄斑周囲が帯状いしは長楕円形に鮮黄色で,強膜が透見でき,その周囲に連続的に移行する強い豹紋状の輪をもっていた。螢光眼底造影では鮮黄色の異常部は脈絡膜相で微細な顆粒状の造影を示し,静脈相より後期まで Win—dow defectと考えられる過螢光を示した。この所見は,類似したものとしてはConnらの報告があるのみで,一般には知られておらず,黄斑の発生異常の新しい形と考えられた。
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