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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻12号

1983年12月発行

文献概要

臨床報告

正常レーレー均等を示す色覚異常(1)—色覚特性

著者: 徳田浩子1 安間哲史1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1493 - P.1496

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 仮性同色表を誤読し,アノマロスコープ検査で正常均等を示す症例は,Pigment—farbenamblyopieと名づけられている。今回我々はこれに存すると考えられる10家系,17人について,各種の仮性同色表,ランタンテスト,パネルD−15,およびアノマロスコープ検査を行った。また,flicker photometryによる視感度測定も行った。
 その結果,これらは通常の先天赤緑色覚異常と同じく性染色体性劣性遺伝をし,アノマロスコープ検査では正常域に入るが,仮性同色表を誤読して,それによりProtan型とDeutan型に分けられることがわかった。また視感度比でも正の群と負の群に二分され,それぞれ,正常とは異なるが,負の群は第1色覚異常と正の群は第2色覚異常と分離できないことがわかった。
 このことから,我々の検査した先天色覚異常者,いわゆるPigmentfarbenamblyopieは,本来,標準的先天性赤緑色覚異常に属するものであり,アノマロスコープが正常域に入る点を特微とするものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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