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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻12号

1983年12月発行

文庫の窓から

眼科諸流派の秘伝書(24)

著者: 中泉行信1 中泉行史1 斉藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1522 - P.1523

文献概要

33.高山司慶流眼科書
 秘伝書によってはその相伝者を辿ることによってその秘伝書のもとを知ることができる。本書は田原流眼科(須恵の眼科)の秘伝書の一つとして挙げられているものであるが,その巻頭に記された相伝者と思われる名前には九州筑前国末邑高田七兵衛伝授書真田了二,高場順清,田原養伯とあり,そもそもの伝授者は筑前国末邑(現在の福岡県粕屋郡須恵町上須恵)の高田七兵衛と考えられる。そしてそれは真田—高場—田原の順に相伝されたものと思われる。
 高田七兵衛の興したといわれる高田流眼科が何時頃創められたか明らかでないが,その流れをくむ並河一敬眼科書に正保3年(1646)のものがある(小川剣三郎)と識されているところから高田流眼科の興りはそれ以前のことと考えられる。また,この高田流から出たといわれる田原流も田原稱吉が眼科を創めたのが寛文年間(1661〜1672)といわれ,幕末文政より天保年間には尾張の馬島流,諏訪の竹内流,江戸の土生流と並んで当時わが国の四大眼科の一つとして世に田原流の名が知られていたといわれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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