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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻2号

1983年02月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

眼炎症におけるロイコトリエンの役割—第1報実験的ぶどう膜炎に対する抗SRS-A剤の効果

著者: 砂田昭信1 金恵媛1 宮永嘉隆1

所属機関: 1東京女子医科大学第二病院眼科

ページ範囲:P.123 - P.129

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 生体の炎症や免疫反応に深くかかわっている物質の一つとして,ロイコトリエン(LTs=SRS-A)の存在がクローズアップされて来ているが,眼炎症にLTsがどのように関与しているかは未だ解明されていない。
 今回,抗SRS-A作用を持つとされるKC−404を用いて,ウサギの実験的ぶどう膜炎がどのように抑制されるかを検討して次の結果を得た。
(1)卵白アルブミンをウサギの硝子体中に注入して起こさせたぶどう膜炎に対しては,かなり有意の抗炎症効果が認められた。
(2)牛血清アルブミン注入によるアルサス型ぶどう膜炎に対しては炎症が強すぎたためか,コントロールとの間にはっきりとした有意差は認められなかった。
(3) Carrageeninをウサギの硝子体中に注入して起こさせたぶどう膜炎に対しては,効果を比較検討するほどの炎症が起こらなかった。
 以上より,眼炎症においてもロイコトリエンの関与があろうことが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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