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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻2号

1983年02月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

ベーチェット病におけるインターフェロンシステムの研究

著者: 大野重昭1 小竹聡1 松田英彦1 藤井暢弘2 皆川知紀2

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2北海道大学医学部細菌学教室

ページ範囲:P.131 - P.136

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 ベーチェット病におけるインターフェロン(IFN)システムを検索するため,36例の本病患者より51検体のリンパ球試料を得,IFN産生の動態やリンパ球の反応性についてしらべた。その結果,本病患者の末梢血リンパ球は単培養のみで高力価のIFN—γを産生し,眼発作期にはこれが有意に低下した。IFN—γ活性は患者の性別や病型,HLA-B5の有無との間には有意の関係を示さず,いずれも高い活性を示した。IFN—γ産生細胞の起源は患者の末梢血Tリンパ球であり,マクロファージの添加によって産生は増強されなかった。本病患者のCon A誘発IFN—γは対照より増強していたが,HSVによるIFN—α産生は著変を示さなかった。
 IFNシステムは生体の免疫応答調節因子として本病の病因,病態生理と密接に関連していることが考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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