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特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著
Trabeculectomy術後,網膜剥離・脈絡膜剥離を併発したSturge-Weber症候群の1例
著者: 伊与田加寿1 上野脩幸1 野田幸作1 岸茂1 政岡則夫1 和田秀文1 玉井嗣彦1
所属機関: 1高知医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.279 - P.284
文献購入ページに移動術前,眼底(患眼)には緑内障性視神経乳頭陥凹が認められたが,明らかな脈絡膜血管腫は発見されなかった。術後眼圧は正常化したが,31日目に高度な網膜剰離・脈絡膜剥離をきたし,安静とダイアモックス・アスピリン加療の後,光凝固・ステロイド大量投与で著しい復位を認めた。
この高度な網膜剥離・脈絡膜剥離の原因として,元来術後脈絡膜剥離の原因とされる術後の急激な眼圧低下を引き金とした機序に加えて,Sturge-Weber症候群という血管奇形疾患に発症した点,および光凝固術後の一過性漿液性網膜剥離が著明に出現した点から,血管腫は指摘できなかったものの脈絡膜血管に滲漏性変化をきたしやすい脆弱性の存在を推察した。
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