icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻3号

1983年03月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

脈絡膜皺襞について

著者: 酒井寿男1 外山喜一1 上野真1

所属機関: 1浜松医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.299 - P.305

文献購入ページに移動
 脈絡膜雛襞症例16例17眼について螢光眼底造影による分析を主とした臨床的調査を行った。原因ないし併発疾患として眼窩病変(3眼),上顎洞病変(2眼),水晶体全摘出術後(6眼),網膜剥離強膜内陥術後(3眼),黄斑部変性症(1眼),中心性漿液性網脈絡膜症(1眼),非増殖性糖尿病性網膜症(2眼)などがあった。
 螢光限底造影では脈絡膜雛襞はHyperfluorescence (過螢光)またはHypofluorescence(低螢光)の二つの線条に区別され,カラー写真では過螢光の部は白色を,低螢光の部は黒または灰色を呈していた。過螢光および低螢光の線条の染色性の有無や時間的経過によるちがいからそれぞれを三つの型にわけてその解釈を論じた。
 脈絡膜雛襞が直接の原因となって視力低下を生じた例はなく,Goldmann視野計による動的視野計測でも脈絡膜雛襞による特徴的な変化はみられなかった。Goldmann視野計による静的視野計測では脈絡膜雛襞部で閾値の上昇がみられた。
 眼底中間周辺部に輪状に配列する脈絡膜雛襞が存在することを示し,両眼性の1症例の報告を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?