icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻3号

1983年03月発行

文献概要

臨床報告

網膜中心静脈閉塞症に対するurokinase療法について

著者: 西田祥藏1

所属機関: 1愛知医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.395 - P.402

文献購入ページに移動
 網膜静脈閉塞症患者30例30眼にurokinase線溶療法を試み,治療効果と血液凝固,線溶能に対する影響を検討した。
 Urokinase 48×103 IU one shot静注を15日間連続施行した分枝閉塞症17例17眼(Aグループ)中14例14眼に視力および眼底所見の改善が見られて有効であったが,3例3眼では無効であった。
 Urokinase 240×103IUの点滴静注を4日間連続施行した分枝閉塞症3例3眼(Bグループ)中2例2眼に有効で,1例1眼では視力が全く改善せず無効であった。
 Urokinase 240×103の点滴静注を4〜5日間連続施行した基幹閉塞症10例10眼(Bグループ)中hemorrhagic retinopathyに分類される3例3眼では全例無効で,venousstasis retinopathyに属する7例7眼中5例5眼に有効,2例2眼に無効であった。
 血液凝固系はBグループでPTTが短縮を示し,ATⅢはA,B両グループ共にATⅢ値の低い症例で,その上昇が見られた。線溶系ではurokinaseの投与によりα2PLの低下が見られて線溶活性の上昇が示唆されたが,特にBグループで著しかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら