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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻4号

1983年04月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

非ステロイド性消炎剤flurbiprofen水性点眼剤の術後眼内炎症に対する効果—フルオロフォトメトリーによる定量的検討

著者: 新家真1 高瀬正弥1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.477 - P.481

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 0.1%flurbiprofen水性点眼液の白内障全摘出術後における抗炎症効果を術後6日目にfluorescein内服法により定量的に検討した。すなわち術後眼における前房内および血漿中のfluorescein濃度を経時的に測定し移行方程式にあてはめて,見かけの虹彩透過性係数(k'dpa)および房水流量係数(k'fa)を算出し,前者を血液房水柵透過性の定量的指標として採用した。
 白内障全摘出術後従来の点眼療法のみを行った13例と,手術3,2,1および0.5時前と術後1日4回のflurbiprofen点眼を追加した10例におけるk'dpaの値は,各々0.050±0.055hr−1(平均±S.D.)および0.014±0.007hr−1であり,後者の値は前者に比べ有意に低かった(Mann-Whitney U-test,p<0.01)。
 以上の結果より,flurbiprofen点眼は白内障術後の消炎剤として極めて有効であると結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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