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特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学術展示
発育異常性緑内障の早発型と晩発型の遺伝型式に関する比較検討
著者: 武内邦彦1 早川むつ子1 藤木慶子1 加藤和男1 中島章1 百瀬皓1
所属機関: 1順天堂大学眼科 2臨床眼科研究所
ページ範囲:P.522 - P.523
文献購入ページに移動結果および考按調査対象(表1)は1961年〜1982年6月の22年間に当科を受診した他の先天異常の合併がなく続発性でない69例の早発型(発症は3歳以前,90%は1歳未満)と1978年以降現在まで順大眼科および臨床眼科研究所で経過観察中の晩発型45例(発症は4〜36歳,平均21±7歳)で,男対女は早発型1.5:1(P=0.12)晩発型1.4:1(P=0.30)と共に有意ではないが男子に多かった。各型両親の近親婚分布,平均近交係数およびいとこ婚率は(表2)の様で,早発型ではいとこ結婚の他に2例の近親婚があった。今泉ら1)による一般集団中の結婚年別近親婚分布と本研究の患者両親の結婚年より加重平均をとり,一般集団中のいとこ結婚率を求めると早発型2.9%に対し1.3%,晩発型8.9%に対し4.2%と共に約2倍一般集団より高率だが有意な差ではなかった。しかし中島ら2)の過去2回の盲学校調査では早発型831名中,両親のいとこ婚率は21.1%であった。
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