文献詳細
文献概要
特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学術展示
後部強膜炎の2症例
著者: 小野田和成1 白井正一郎1 鎌尾憲明1 下川真貴子1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.526 - P.527
文献購入ページに移動症例1:14歳男子。1979年3月右眼疼痛,充血で発症。その後網膜浮腫,乳頭浮腫(図1a)をきたし,眼球運動障害,軽度の眼球突出も出現。CTスキャン(図1b)で眼球後壁の肥厚を認めた。これらの所見から後部強膜炎と診断し,ステロイド剤内服を行ない症状は改善した。約3年後の1982年4月,右眼痙痛,充血を再発。急激な視力低下とともに黄斑部を含む眼底後極部に境界明瞭な漿液性網膜剥離をきたした(図2)。螢光眼底造影では初期から中期にかけて点状,斑状の螢光が出現し,後期には剥離部に螢光色素の貯留が認められた(図3)。血沈亢進,抗DNA抗体陽性のため全身検査を行ったが,若年性関節リウマチ等の異常はなかった。今回もステロイド内服で諸症状は軽快した。
掲載誌情報