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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻4号

1983年04月発行

文献概要

臨床報告

眼瞼に発生した毛母細胞腫—12例の臨床病理学的検索

著者: 石橋達朗1 佐藤渉1 猪俣孟1 石川祐二郎1 今山修平2

所属機関: 1九州大学医学部眼科 2九州大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.549 - P.554

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 九州大学医学部限科および皮膚科において最近11年間に経験した12例の眼瞼の毛母細胞腫について,臨床的および病理組織学的に検討した。
 本腫瘍の発生は9歳までが3分の2を占め,また女性が男性の3倍であり,すべて上眼瞼にみられた。大きさは直径10mm前後の硬い腫瘍で,皮膚との癒着は認められるが,下部組織との癒着はなかった。
 病理組織学的には好塩基細胞と陰影細胞からなる特徴的な病像を呈し,4分の3の症例に石灰化を伴っていた。また1例には類表皮嚢胞との合併がみられた。
 発生起源としては,成熟した毛母細胞より発生すると考えるより,毛母細胞への分化を示す未熟な上皮芽細胞より発生すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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