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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

緑内障眼におけるマ盲点の分析

著者: 井上洋一1 井上トヨ子1

所属機関: 1オリンピアクリニック

ページ範囲:P.597 - P.602

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 原発緑内障のBjerrurn領域における視野異常は,視神経線維束の障害として捉えられているが,その線維束の走行における視野異常,ことにマ盲点周囲の異常は興味がもたれるところである。今回,マ盲点を中心に2°間隔,66測定点を配置したプログラムを川い,CPブラケット(OCTOPUS)により,正常および緑内障眼のマ盲点の分析を行った。
 対象は高眼圧54眼および早期緑内障196眼計250眼で,正常眼53眼を対照とした。視野の程度により群(マ盲点部分的露出,マ盲点露出(I−2沈下),孤立暗点,鼻側階段および鼻側狭窄)に分別し,マ盲点の大きさおよびその周囲を,上・下・その他の3部に分け,その感度分布を調べた。
 正常マ盲点のdBポイント数(ポ数)を示すと,0 dBポ数は3.4±1.47,0〜9 dBポ数6.3±2.51,10〜19dBポ数は2.3±1.54であった。
 高眼圧54眼では,予想に反して,マ盲点上部にのみ,196の危険率で感度低下の拡大がみられた。近い将来,緑内障へ移行する例が含まれており,早期緑内障と高眼圧の鑑別が,あらためて難しい問題であることがうかがわれた。
 正常GPの緑内障眼では,マ盲点上部に有意の感度低下がみられた。ことにPOAGでは,マ盲点自体の拡大が有意に検出された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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