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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

原発閉塞隅角緑内障の疫学的研究(その1)

著者: 藤田邦彦1 根岸千秋1 藤木慶子1 紺山和一1 K.2 金子憲3

所属機関: 1順天堂大学眼科 2 3室蘭市立病院眼科

ページ範囲:P.625 - P.629

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 PACGの罹患率についてタイ国および室蘭市の既存資料を用い推定した。そして訂正罹患率を用い,英国の資料と比較した。
(1)罹患率:タイ国では10万対(a)群9.3人,(b)群9.3人,(c)群16.8人,室蘭市では38.4人であった。
(2)罹患年齢:室蘭市男子では高齢者程罹患率が高まるのを除いて室蘭女子,タイ国3群の男子共,50〜60歳代で最も高くなり,以後減少した。
(3)性比:タイ国では3.8〜4.0倍(P《0.001),室蘭市では2.5倍(P≒0.001)女子の方が多かった。
(4)訂正罹患率:タイ国(a)(b)群は共に10万対11.1人,(c)群は10万対19.2人,室蘭市は10万対19.6人,英国Ferndaleは10万対39.6人,Bedfordでは,10万対76.4人であった。
 今後,住民調査や地域眼保健サービス等への応用を試みられよう。また,室蘭市における罹患年齢の男女差や,タイ国および室蘭市と英国FerndaleおよびBedfordとの訂正罹患率の差,資料調査によって求められた羅患率と住民調査による有病率との関係なども今後解決されるべき問題である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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