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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

硝子体内鉄片異物摘出術の予後について—マグネット法と硝子体手術法の比較

著者: 三木徳彦1 山内昌彦1 井上一紀1 大沢英一1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.643 - P.648

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 数年来硝子体内鉄片異物に対し,硝子体手術法による,硝子体異物鑷子での摘出を施行して来た。そこで,従来のマグネット法による摘出例との術後合併症ならびに予後について比較検討し,それぞれの術式の適応について考察した。
 対象は30眼の硝子体内鉄片異物で,22眼は従来のマグネット法を,最近の8眼は硝子体異物鑷子を用い,硝子体手術法により異物摘出を行った。
 術後合併症は,マグネット法において,硝子体手術法に比しはるかに高頻度であり,硝子体出血硝子体牽引,網膜剥離,続発緑内障の順に高頻度で生じ,術前術後の硝子体出血が,永続的な硝子体混濁,硝子体牽引,牽引性網膜剥離へと移行し,予後不良であった。
 硝子体手術法は,術前すでに大量の硝子体出血を有する症例,巨大異物症例,鉄錆症例,眼内感染症例等が適応と考えられる。一方,微小異物で,硝子体出血の軽微な症例の場合には,マグネット法でも良好な結果を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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