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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

水俣病にみられる固視微動異常

著者: 石川哲1 向野和雄1 山上晴子1 岡村良一2 皆良田研介2 安武博英2 熊谷和久2

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室 2熊本大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.665 - P.671

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 典型的水俣病患者10例でmicrosaccadesの増大したと考えられるsquare wavejerks (SWJs)が出現することを前報1)で報告した。今回さらにその意義,責任病巣を検討するために水俣被検者(疫学的には本症発症の可能性が十分考えられた一部行政認定されたものも含む)16例,正常対照群15名,さらに中枢神経病変対照群14例を取り上げ検討した。眼球運動はphotoclectric oculographyにより記録し,暗黒下,照明固視下(NDフィルター4段階応用)の5条件下に記録した。得られた0.5°以上のSWJsを取り上げ振幅,持続時間,頻度につき分析した。水俣被検者16例中11例にSWJsがみられ,暗黒下で振幅が増大した。一方今回の正常対照群ではSWJsは認められなかった。今回初めて取り上げた両後頭葉病変,視床—中脳背側病変ではSWJsが明瞭であった。水俣グループのSWJsは両側後頭葉病変のそれと最も類似しており,この部位が責任病巣と考えられた。また小脳,上丘病変のそれとは異なっていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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