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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学術展示

エタンブトールによる中毒性視神経症の経過報告

著者: 佐々木秀樹1 中野容子1 高山東洋1 井上満2

所属機関: 1国立埼玉病院眼科 2国立療養所東埼玉病院内科

ページ範囲:P.676 - P.677

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 第二次抗結核薬として,1960年に開発されたEtham—butol (以下E.B.と略記)は,既存の抗結核薬による耐性菌に対しても,強力な治療効果を示した例もあるとのことで,現時点の結核治療剤の中では,最右翼におかれている。しかし,1962年,Carrらによりその副作用として,中心暗点を伴う視力障害の発症が報告されて以来,本邦においても,原田の報告を初めとして,視力障害を併発する報告が数多くみられ,医原病としての本病と,投与されたE.B.の量とについては,一回投与量,経続投与日数,総投与量との関係に到る総括的報告までなされている。
 対症療法として,発病時にE.B.中毒性視神経症であることが確認された場合には,すぐにE.B.内服を中止すれば,視力の改善を得ることが可能であるとされてはいるものの,特効薬についての報告はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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