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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻5号

1983年05月発行

文献概要

臨床報告

光凝固の奏効した虹彩転移癌

著者: 西麗子1 西興史2 前里和夫3 人見滋樹3

所属機関: 1関西電力病院眼科 2西眼科病院 3関西電力病院呼吸器科

ページ範囲:P.706 - P.711

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 右眼虹彩および隅角への転移癌の1例を,報告した。当初,腫瘍を含む虹彩全幅切除術を施行したところ2日後に再発をみた。その後.新たに出現した多数の転移巣に対し,アルゴンレーザー光凝固術を繰り返し施行し,一時的にではあるが,腫瘍を細隙検査上消失せしめた。病理組織では左肺原発巣に一致する小細胞未分化癌の浸潤を,虹彩に認めた。虹彩転移癌に対しては,虹彩切除術は手術操作により,腫瘍細胞を前房内に撒布する危険がある。初期段階にアルゴンレーザー光凝固を施行すると,腫瘍の消退に非常に効果的であり,視力の保持も可能であった。虹彩隅角部転移癌に際してはまず光凝固を施行し,必要であれば手術操作を施行すべきと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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