文献詳細
特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その6)
学会原著
文献概要
格子状角膜変性の一家系について報告した。四世代にわたる常染色体優性遺伝を示し,家系中16人中9人男(4,女5)に発生が認められた。臨床症状は10歳代の後半より発生し,両眼角膜の中央部より上皮下,実質の浅層に混濁が見られ,それは点状,結節状,線状,分枝状となり,しばしば上皮びらんを伴う。次第に病変が進行し,混濁は融合し線状体は格子状となり,実質の全層に拡大する。50歳代に至り視力低下が増強した3眼に全層角膜移植を行った。光顕的,電顕的にアミロイドの沈着が証明された。2例にSAA値が検索されたが,検出されなかった。限局性家族性アミロイドージスと確定された。
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