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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻6号

1983年06月発行

文献概要

特集 第36回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

シエーグレン病の眼科的治療に関する研究—第2報涙液のpHおよび点眼液の影響

著者: 宮川公博1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.783 - P.787

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 シェーグレン病における乾性角結膜炎の治療を目的として,患者の涙液pHに対する点眼液の影響を検討した。pHの測定には微小複合ガラス電極を直接下結膜嚢内に挿入する方法を用いた。点眼液は3%chondroitin sulfate (pH 5.14)および0.3%hydro—xyethyl cellulose (pH 7.22)を使用し,患者および正常者の涙液pHを点眼前,点眼1分後,5分後に測定した。
 患者の涙液pHは7.62±0.33と,正常持の7.32±0.17に比べ有意にアルカリ側に傾いていた。2種の点眼液使用後の涙液pHは同様の傾向を示した。患者の涙液pHは点眼1分後,5分後共に有意に低下していた。正常音では1分後有意に低下していたが,5分後には有意差がなかった。
 シェーグレン病患者の涙液はアルカリ側に傾いているが,pH 7.22の0.3%hydroxyethyl celluloseで十分低下させることができる。したがって患者眼に対し刺激がなく,涙液リゾチームへの影響が少ない中性の粘性剤を含んだ点眼液が適当である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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