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臨床報告
悪性高血圧症にみられた脈絡膜血行遅延と漿液性網膜神経上皮剥離
著者: 木村早百合1 竹田宗泰1
所属機関: 1札幌医科大眼科学教室
ページ範囲:P.861 - P.867
文献購入ページに移動 急な視力低下のために来科し両眼性に強渡の高血圧性網膜血管変化(Keith—Wagener IV期)と多発性の漿液性網膜神経上皮剥離を伴う54歳男性で,後に内科で悪性高血圧症と診断された1例を報告した。螢光眼底所見上両眼共に後極に網膜静脈相後期まで持続する境界鮮明な斑紋状の脈絡膜螢光の著しい流入遅延部がみられ,これに接して多発性の脈絡膜から網膜下への螢光漏出および貯溜を認めた。
従来螢光眼底造影法においてこれほど明確に脈絡膜循環障害をとらえた報告は少なく,高血圧症が網膜循環系のみならず脈絡膜循環系にも血行障害をおこしうることを臨床的に示しており脈絡膜循環障害による漿液性網膜神経上皮剥離発生の重要性について考察した。
従来螢光眼底造影法においてこれほど明確に脈絡膜循環障害をとらえた報告は少なく,高血圧症が網膜循環系のみならず脈絡膜循環系にも血行障害をおこしうることを臨床的に示しており脈絡膜循環障害による漿液性網膜神経上皮剥離発生の重要性について考察した。
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