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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻7号

1983年07月発行

文献概要

臨床報告

Lanthony's New Color Testによる色覚研究—(2)後天色覚異常例その1中性色帯について

著者: 市川一夫1 徳田浩子1 森井一江1 市川宏1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1015 - P.1020

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 後天性疾患の中性色帯を検討するために,10歳〜69歳までの各年代10人の正常者と後天異常の14疾患140症例227眼を対象とし,New Color Testの分離検査を施行して以下の結論を得た。
(1)正常者は60人中58人が検査をpassし,failした2名もerror score 4以下であった。
(2)後天性赤緑色覚異常では〔PR〕〔RP〕と〔V〕〔VB〕に中性色帯の中心があり,後天青黄色覚異常では,〔PB〕〔BP〕と〔J〕〔JV〕に中性色帯の中心があった。
(3) Stargardt disease 5眼が後天性青黄色覚異常に分類され,従来の報告と異なっていた。
(4)後天性青黄色覚異常を示す疾患で黄色側のピークが中心性網脈絡膜症のみが〔JV〕にあり,他の疾患では〔J〕であった。
(5)後天性青黄異常は単極性を示す傾向が強く,この傾向は糖尿病性網膜症で顕著であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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