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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻8号

1983年08月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その8) 学会原著

ウイルス性結膜炎の臨床疫学的研究—感染経路を中心として

著者: 青木功喜 加藤道夫 大塚秀男 石井慶蔵1 中園直樹1 高橋美由起1 陳振武2 林金祈

所属機関: 1北海道大学医学部公衆衛生 2高雄医学院眼科

ページ範囲:P.1077 - P.1081

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 1979年から1982年6月までにウイルス性結膜炎と診断した1,067名について臨床疫学的検討を加えた。院内感染は26.8%〜41.5劣の頻度にて発生し,その主感染源の一つに眼科外来小手術と老人があげられた。家族内感染は新患が再患に較べて多く,流行時に家族内において流行性,非流行性の判断が極めて難しい事を示しえた。プールにおける結膜炎の多くは塩素による刺激症状であり,ウイルス感染ではAd3とAd4によるものがみられ,Ad8によるものは見出す事ができなかった。これはプールでの感染源として眼より大便のウイルス排出を重視する必要を物語るかもしれない。院内感染における老人,家族内感染における乳幼児と母親,プールにおける学童に今後注意する必要があり,眼科専門医としては結膜炎における流行性の患者の選別と共に,サーベイランスにおける情報提供を行う事が大切である。またこのためには臨床所見のみならず病原決定を併行させて行う事が有用であろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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