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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻8号

1983年08月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その8) 学会原著

硝子体フルオロフォトメトリーの臨床的応用

著者: 米谷新1 稲葉茂1 沼賀哲郎1 山崎伸一1 堀内知光1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1083 - P.1087

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 硝子体フルオロフォトメーター(Fluoromet model 120, Xanar社)を人眼に適用し,コントロール眼,中心性網膜炎,原田病,ベーチェット病,眼サルコイドーシス,糖尿病性網膜症,網膜静脈閉塞症の各症例計119眼で10%フルオレセイン—Naを体重kg当り7mgを静注し,1時間後に測定を行った。
 前部・中部・後部硝子体の各3点における測定結果を推計学的に検討し,それぞれの疾患で特徴的な螢光色素の硝子体内濃度分布のあることが理解された(表1)。
 螢光眼底撮影上網膜下に螢光漏出が認められる原田病などでは硝子体内への螢光漏出は観察されなかった。一方,血管炎を伴う葡萄膜炎では中部・後部硝子体への有意の螢光漏出が見られた。また全身の血管変化を伴う,網膜静脈閉塞症では前部・後部硝子体に有意の螢光漏出があり,糖尿病性網膜症では前部・中部・後部硝子体全ての部分で有意の螢光増強が観察された。これらの事実より螢光色素の硝子体内漏出には孟1管因子,特に内血液網膜柵の破壊が大きく関与していることが結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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