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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻8号

1983年08月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その8) 学会原著

厚生省研究班新分類による未熟児網膜症の活動期から瘢痕期への推移と今後の対策について

著者: 田中純子1 馬嶋昭生1 加藤寿江1 鎌尾憲明1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1137 - P.1142

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 名市大未熟児病棟で管理された出生体重2,500g未満の低出生体重児のうち,1970年1月から1975年6月1でに生れた470例(A群)と,1977年1月から1981年7月までの272例(B群)を対象として,厚生省未熟児網膜症研究班の新しい診断基準に基づいて,活動期から瘢痕期への推移を検討し,次の結果を得た。
(1)極小未熟児の増加に伴い,重症網膜症が増加し,瘢痕を残すものも増加している。
(2)白色瘢痕組織のない瘢痕期1度aは0度に近い性格である。
(3)活動期2期まで進行したものは3期以上に比べて有意に瘢痕期0度が多く,3期中期まで進行したものは1度bとなるものが有意に多かった。
(4)活動期2期および3期初期まで進行したものは最終活動期の持続期間が長い程瘢痕が事高度となる。
(5)活動期から瘢痕期への移行についてA群とB群はほとんど差がない。
(6)現在名市大では全身的管理の向上がみられず,眼科的管理能力も限界に達しているので,今後は極小未熟児の出生防止とさらに一層の全身管理技術の向上や網膜症の発生,進行の防止対策の検討が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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