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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻8号

1983年08月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その8) 学術展示

生体高分子の角膜内皮細胞に及ぼす影響—その組織学的研究

著者: 池部均1 小玉裕司1 中路裕1 佐々本研二1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1154 - P.1155

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 緒言最近,眼内手術に種々の生体高分子が使用されている。今回われわれは,シルコ社のコンドロイチン硫酸(以下CDSと略す),ファルマシア社のピアルロン酸ナトリウム(Healon®),および生化学工業のピアルロン酸ナトリウム(以下SPHと略す),を家兎前房内に注入し,角膜内皮細胞に及ぼす影響を形態学的に検索し,若干の知見を得たので報告する。
 実験方法実験に使用した生体高分予は,CDS (平均分子量4万),Healon®(平均分子量160万),およびSPH(平均分子量83万)である。CDSはコンドロイチン硫酸を主成分とする50%溶液,SPH, Healon®はピアルロン酸ナトリウムの1%溶液である。これらはいずれも生食とpH 7.2のリン酸緩衝液でとかしてある。その浸透圧比はCDSが4.2,SPH, Hcalon®がほぼ1.0,pHは実測値でCDSが6.3,SPH, Healon®,が7.3である。実験には,体前約2.0kgの白色家兎を24羽用い,前房内注人の方法は27G注射針2本で,角膜輪部の2時と10時の位置より前房を穿刺し,一方より生体高分子を注入しつつ,他方より前房内容を吸引した。注入量と吸引量はそれぞれ0.3mlとし,操作中は前房深度ができるだけ一定となるようにした。注人後6時間,48時間,1週および1ヵ月経過して眼球を摘出し,角膜組織切片を光顕および電顕にて観察した。観察部位は角膜中央部と下方周辺部とした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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