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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻9号

1983年09月発行

文献概要

薬の臨床

Sisomicin点眼液の細菌性外眼部感染症に対する有効性・有用性の二重盲検法による研究

著者: 岡村良一1 鎌田龍二1 松本光希1 小林俊策2 浅山琢也2 兼子勉2 筒井純3 市橋進3 武田純爾3 原二郎4 田中康夫4 塩田洋5 井上須美子5 小川剛史5 市川宏6 村上正建6 田中直彦7 秦野寛7 石川哲8 宮田幹夫8 内田幸男9 金子行子9 大西裕子9 北野周作10 山西政昭10 吉沢徹10 徳田久弥11 清水干尋11 有本啓三11 嶋田孝吉12 沢充12 大石正夫13 永井重夫13 田沢豊14 近藤駿14 熊谷俊一14 松田英彦15 根路銘恵二15 宮島輝英15 三井幸彦15 小寺健一16 東堤稔16 坂本雅子16 三浦創17

所属機関: 1熊本大眼科 2山口大眼科 3川崎医大眼科 4近畿中央病院眼科 5徳島大眼科 6名大眼科 7横浜市立大眼科 8北里大眼科 9東京女子医大眼科 10日大眼科 11杏林大眼科 12自治医大眼科 13新潟大眼科 14岩手医大眼科 15北大眼科 16阪大微生物病研究会 17熊大衛生学教室

ページ範囲:P.1269 - P.1282

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 市販の0.3%ゲンタマイシン点眼液(GM)を対照として,0.3%シソマイシン点眼液(SISO)の有効性,安全性および有用性を,多施設二重盲検法によって比較研究した。
 細菌性外眼部感染症348例に1日4回,1回2滴点眼することを原則として使用した。除外例,脱落例を除き,SISO群128例,GM群137例が解析対象例となった。両群の背景因子の同質性保証をたしかめた後,両群の臨床効果,安全性および有用性を眼感染症研究会制定の判定基準によって比較して,つぎの結果が得られた。
(1) SISOは著効率64.84%,有効率96,88%,GMは著効率59,85%,有効率92.70%で,臨床効果に差はなく,眼感染症研究会制定の評価基準では,共に汎用性抗生物質点眼液として優にランクされた。しかしSISOの方がGMより多少「切れ味」がよいのではないかという可能性が示唆された。
(2)副作用の発現率は両薬剤間に推計学的に有意差はなく,また重篤な副作用も発生しなかった。しかし眼感染症研究会の評価基準を適用すると,従来GMの欠点とされていた刺激性が,SISOでは使用者がその差に気づく位軽微である可能性が推定された。
(3)特定疾患はSISOは前回の二重盲検法を含め19例,GMは31例あり,共に著効率50%以上,有効率95%以上であって,全症例の結果と矛盾しなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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