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抄録
第21回白内障研究会講演抄録集
著者: 小暮文雄1
所属機関: 1宇都宮市文化会館
ページ範囲:P.1289 - P.1300
文献購入ページに移動I.一般講演
1.水晶体におけるカルシウムポンプとそのモジュレーター
水晶体におけるCaイオンは,Na-K ATPaseの調節,膜不整化の防止など,水晶体の透明性に関与する多くの恒常性維持機構に重要である。このCaイオンの膜輸送のメカニズムについては,Ca-ATPaseの存在が示されているが,その生化学的特性についての十分な知見は得られていない。今回は,マウス水晶体におけるCa—ATPaseの特性を検討し,そのカルシウムポンプに関するより詳細な情報を入手することを目的とした。
マウス水晶体Ca-ATPaseは,そのホモジネート中で1×10−6Mのfree Caイオンの存在により最大活性を示す。しかし,28,000×G遠心沈査では,ほとんどその活性を示さない。また,このCa-ATPaseは,種々の薬物での阻害が示されたが,特にカルシウム結合タンパク質として脚光をあびているカルモジュリンの阻害剤であるchlorpromazineおよびW−7によって,このCa-ATPaseの活性が阻害された。
1.水晶体におけるカルシウムポンプとそのモジュレーター
水晶体におけるCaイオンは,Na-K ATPaseの調節,膜不整化の防止など,水晶体の透明性に関与する多くの恒常性維持機構に重要である。このCaイオンの膜輸送のメカニズムについては,Ca-ATPaseの存在が示されているが,その生化学的特性についての十分な知見は得られていない。今回は,マウス水晶体におけるCa—ATPaseの特性を検討し,そのカルシウムポンプに関するより詳細な情報を入手することを目的とした。
マウス水晶体Ca-ATPaseは,そのホモジネート中で1×10−6Mのfree Caイオンの存在により最大活性を示す。しかし,28,000×G遠心沈査では,ほとんどその活性を示さない。また,このCa-ATPaseは,種々の薬物での阻害が示されたが,特にカルシウム結合タンパク質として脚光をあびているカルモジュリンの阻害剤であるchlorpromazineおよびW−7によって,このCa-ATPaseの活性が阻害された。
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