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文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(21)
著者: 中泉行信1 中泉行史1 斉藤仁男1
所属機関: 1研医会
ページ範囲:P.1301 - P.1302
文献購入ページに移動以前は"万金丹"とか"反魂丹"といった薬名をよく耳にしたことがあるが,江戸時代末期の売薬(正しくは"買い薬")は内服薬。外用薬ともその種類もかなりあり,一般大衆の手頃な救急医薬として役立ち利用されたようである。
売薬の中には目薬も幾種類かあり,各地の薬師,寺社などから霊宝薬として授けられていた目薬の他にも薬種商から売り出されていた。例えば益田友嘉の眼薬五霊膏,笹屋目薬光明膏,松井目薬神授清霊膏,大阪の医師浅田寿庵の入残膏,奈良屋平七目薬北斗香,久喜周伯目薬金明丹等数々の目薬が売られていた(花咲一男著「絵本江戸売薬志」)。しかし,これら売薬は"しまず,いたまず○○目薬""一切の眼病に用いて効能神のごとし"等と巧な看板広告によって買い薬利用者の心を引きつけ,買い気をさそい,薬は売られていたようである。
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