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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻10号

1984年10月発行

臨床報告

網膜静脈分枝閉塞症における晩期合併症と光凝固療法について

著者: 石川浩子1 松嶋三夫2 佐藤圭子3 楠田美保子3 三木徳彦3

所属機関: 1和泉市立病院 2城北市民病院 3大阪市立大学医学部

ページ範囲:P.1033 - P.1038

文献概要

 網膜静脈分枝閉塞症の経過中に生じる硝子体出血,新生血管緑内障,網膜裂孔などのいわゆる晩期合併症を予防するために,光凝固の適応について検討した。合併症を認めた症例と認めなかった症例の螢光眼底血管造影所見を比較検討した結果,合併症を認めた症例には次の特徴が共通して認められた。
1)静脈閉塞部位が乳頭縁より1乳頭径以内に存在する。
2)無血管野が1象限以上におよぶ。
3)無血管野の動脈に著しい狭細化がみられる。
 よって,これらの条件を備えている症例に対しては,晩期合併症の予防のために無血管野全体に光凝固を施行するのが望ましいが,これ以外の症例では,新生血管やその他の合併症を認めた時点で光凝固を施行するのが妥当であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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