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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻10号

1984年10月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病と血液網膜柵—硝子体螢光測定による分析

著者: 吉田晃敏1 C.Delori2 D.Collas2 J.Wallace2

所属機関: 1旭川医科大学 2

ページ範囲:P.1059 - P.1064

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 我々の開発した硝子体螢光測定装置(Vitrcous Fluorophotometer)を用いて,螢光眼底写真を基に分類した77人の糖尿病患者と23人の正常人の血液網膜柵の機能と水晶体自然螢光を検討し,次の結果を得た。
(1)水晶体自然螢光は,糖尿病患者では同年齢の正常人に比べて有意に高く,しかも網膜症の発現前の患者においても正常人に比べ有意の上昇を示した。
(2)若年群(40歳以下)では,後部硝子体のbaseline値,fluorescein静近後60分値共,すべての糖尿病性網膜症グループで正常人に比べ有意の高値を示したが,これは高い水晶体自然螢光の影響を強く受けていることが判明した。
(3)高年齢群(41歳上)では,上記の様な若年群に認められた顕著な変化は認められなかった。
(4)網膜症発現前の糖尿病患者では,眠内の自然螢光を補正すると,血液網膜柵の破壊の程度に関し正常人との間に有意差を認めなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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