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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

特集 第7回日本眼科手術学会 原著

計画的嚢外白内障摘出術後の後発白内障について

著者: 坂西良彦1 沢充1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1113 - P.1119

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(1)嚢外摘出術後3カ月以上経た症例88例100眼を対象として,後発白内障の臨床像につぎ分類,検討を行った。
(2)後発白内障は72眼にみられ,発症時期により,術直後よりみられる遺残群後発白内障と術後しばらくして生じる増殖群後発白内障とに大きく分類された。前者は水晶体皮質の遺残により生じるもので,さらに,ベール型(21眼)とSoemmering型(4眼)とに分類された。後者は水晶体上皮細胞の線維化生により生じる線維型(63眼)と,Elschnig型(11眼)とに分類された。Elschnig型は,さらに進行亜型と周辺部限局亜型とに分けられ,Elschnig型進行亜型の発症年齢は,他の型に比べて有意に低かった。
(3)後発白内障による視力低下(0.7以下)例は7眼にみられ,いずれも増殖群後発白内障によるものであった。
(4)フルオロフォトメトリーによる血液房水柵機能の定量的検討を,後発白内障存在群7眼および後発白内障非存在または軽度存在群11眼に対して行ったところ,両群間に有意差を認めなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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