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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

臨床報告

内頸動脈血行不全による虚血性網膜症の2例

著者: 藪下えり子1 西田祥藏1

所属機関: 1愛知医科大学眼科

ページ範囲:P.1169 - P.1174

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 内頸動脈狭窄あるいは閉塞に起因する虚血性網膜症2症例を報告した。
(1)眼底所見は,症例1は網膜耳側動脈閉塞症所見を,症例2は網膜中心動脈閉塞症を伴う前部虚血性視神経症の所見を呈した。螢光眼底造影検査で2例共に脈絡膜螢光充盈遅延・網膜循環時間の遅延を認めたが,特に症例2ではそれが著しかった。
(2)頸動脈血管造影で症例1では,左内頸動脈の起始部に著明な狭窄と眼動脈の閉塞所見を認め,症例2では右内頸動脈起始部の完全閉塞と外頸動脈から眼動脈へ吻合する側副血行路の形成が認められて,2例ともに内頸動脈の狭窄あるいは閉塞による虚血性網膜症であることが診断された。
(3)治療はウロキナーゼによる血栓溶解療法を施行したが無効で,特に症例2では虹彩ルベオージスが進行して血管新生緑内障を続発し,眼圧のコントロールができず,強い眼痛のために眼球摘出術を施行した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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