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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻11号

1984年11月発行

文献概要

臨床報告

夜間視力の年齢別推移と水晶体の影響の検討

著者: 渡辺雄二1 本村英子1 渡辺郁緒1

所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1183 - P.1187

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 Rodenstock社製Nyktometerを用い,正常眼,無水晶体眼,中心性漿液性脈絡網膜症の夜間視力を測定し次の結果を得た。
(1)20〜49歳群ではほぼ同じ値を示すが,その後年齢がすすむにつれて,夜間視力は低下し,特に60歳以上の人では眩輝光があると,その識別能は高いコントラスト値の方にずれる傾向が強かった。なお19歳以下群でも20〜49歳群より低値を示した。
(2)無水晶体眼と有水晶体眼の比較では,無水晶体眼の方が術後長期間経過した者でも夜間視力は低下していた。
(3)中心性漿液性脈絡膜網膜症の患眼では,明所視力が回復しても夜間視力は低下していた。
 これらの結果から高年齢者や無水晶体眼での夜間視力の低下や眩輝光下の識別能の低下は老化に伴う水晶体の変化によるものではなく,黄斑部領域の器質的変化によるものと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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