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臨床報告
網膜色素上皮病変の臨床的検討—その1.急性網膜色素上皮炎
著者: 木村早百合1 竹田宗泰1
所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1188 - P.1193
文献購入ページに移動 急性網膜色素上皮炎の眼底像をもつ片眼性急性視力障害例4症例を報告する。全例視力は良好で初診視力は0.5以上で18週以内に1.0以上に回復した。螢光眼底造影所見にて脈絡膜からの螢光漏出を初診時より伴う症例は今回除外したが,4例中2例がある期間をおいて2次的に脈絡膜過螢光増強を示すのが観察された。また患眼他部位に病変とは別に脈絡膜螢光漏出を同時に伴う症例が2例あり,急性網膜色素上皮炎と中心性漿液性脈絡網膜症の両方の眼底像の特徴を合わせ持つことから,両者の発生基盤に共通項のあることが示唆きれた。今回急性網膜色素上皮炎の立場から,過去の報告例と文献対比した結果,中心性漿液性脈絡網膜症として一括されてきた病態は臨床像からさらに細かく検討されるべきであり,その中には急性網膜色素上皮炎と考えられるものが含まれている可能性がある。
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