icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻11号

1984年11月発行

--------------------

第7回日本眼科手術学会口演抄録集

著者: 福田雅俊1 新里幸徳

所属機関: 1琉球大

ページ範囲:P.1200 - P.1212

文献概要

◎特別講演
1)手術と眼組織反応
 手術は人体に外傷を加えながら,治療目的を達しようとする行為であり,それによって受ける傷害にくらべ,利益の大きい時に,その手術の適応があると判定される。なかでも眼組織は繊細で,形態的なわずかな乱れも大きな損傷となるため,その損傷は最小限にくいとめるべきで,顕微鏡下手術もこのために開発された。手術による損傷を抑えるためには,手技の合理化,器具の精密化のほか,手術によってひき起こされる生物反応を知る必要がある。この研究を手術のbiology (病態生理学)と呼ぶが,その研究発展のためには,術中,術後の組織反応をprospectiveに観察する必要がある。その手段として,角膜の透過性と厚さ測定,角膜内皮観察,眼内螢光測定などが現在あり,プロスタグランジン,ブラジキニンなどの放出による反応や,灌流液中のCa添加,インドメサジンの点眼などによる傷害予防効果などが,角膜,前房,虹彩,網膜(とりわけCMEの発生)に対して考慮されねばならず,今後は手術時の光による傷害も無視できないから,手術用顕微鏡の内部照明をズーム化するなどの配慮も必要となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら