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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨床報告

ぶどう膜炎患者のリンパ球サブセットの検討

著者: 砂川光子1 沖波聡1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1223 - P.1227

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 ぶどう膜炎患者45名(前部ぶどう膜炎患者15名,Behçet病患者15名,Vogt—小柳—原田病患者5名,サルコイド性ぶどう膜炎患者5名,分類不能の全ぶどう膜炎患者5名)と対照健康人55名の末梢血中のリンパ球サブセットについて,OKシリーズのモノクローナル抗体を用いて検討した。ぶどう膜炎患者群では対照健康人群と比べ,OKT 4細胞の割合が増加し(p<0.01),OKIa1細胞の割合が減少していた(p<0.01)。中でも,前部ぶどう膜炎患者群では,OKT3細胞の割合およびOKT4細胞の割合とも増加し(P<0.05),Behçet病態者群では,OKT3細胞の割合およびOKT4細胞の割合とも増加し(p<0.01),かつOKIa1細胞の割合が著しく減少していた(p<0.001)。他のぶどう膜炎患者群では,症例数が少なく有意差は出なかったが,一般に,OKT4細胞の割合は増加していたが,他のサブセットの変動は少なかった。これらの事より,この様な免疫学的手段が,ぶどう膜炎の分類や鑑別診断に,あるいは病因解明に使える可能性を示唆した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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