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臨床報告
標準色覚検査表第2部後天異常用によるエタンブトール中毒性視神経症の検査
著者: 田邊詔子1 田渕保夫1 村上真理子1
所属機関: 1名古屋第一赤十字病院眼科
ページ範囲:P.1229 - P.1233
文献購入ページに移動エタンブトール中毒性視神経症を発症したものは11例,のべ検査回数36回である。SPP−2の検査結果は,症状の軽いものは赤緑異常が主であり重症となるに従って青黄異常が加わって全色盲様となる。
SPP−2による色覚異常の検出は,自覚的他覚的な視力障害の発現とほぼ同時期であり,副作用を特に早く捉えられるわけではないが,初期のわずかな視力低下を病的と判断する根拠ともなり,検査が簡便なことはスクリーニング検査として有用である。ただし副作用のチェックを長期間本表のみに頼るのは危険である。また,先天色覚異常,中心性網膜炎およびその他の眼底疾患の既往は,検査結果に大きく影響するので,投与前の成績を対照としなければならない場合もある。
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