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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻12号

1984年12月発行

臨床報告

人工水晶体挿入後の緑内障の1例

著者: 大越貴志子1 杉江進1 神吉和男1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.1235 - P.1239

文献概要

 後房レンズ挿入後,高度の隅角色素沈着によるものと思われる緑内障で,眼圧のコントロールが困難であった1例を経験した。
 後房レンズ挿入後の27名27眼の隅角検査を施行した結果,術眼にScheie I〜IV度の種々の程度の隅角色素沈着を全例に認め,いずれも非手術眼である反対眼に比較して高度であった。内,緑内障となったのは1眼であり,最も色素沈着が高度であった。
 したがって,後房レンズ挿入による隅角色素沈着は多くの場合,眼圧上昇をもたらさないが,高度の場合は緑内障を惹起しうるものと考えられる。
 また,このような緑内障に対し,laser trabeculoplastyが眼圧コントロールに有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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