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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨床報告

日和見病原菌としてのStreptococcus faecalisによる眼感染症

著者: 大石正夫1 永井重夫1 坂上富士男1 米山恵子1 大桃明子1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1259 - P.1263

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 Streptecoccus faecalisが検出された眼感染症について,その病因的意義につき検討を加えた。
 症例は1978年から1982年の5年間における12症例で,疾患は急性結膜炎2例,新生児涙嚢炎,慢性涙嚢炎各1例,角膜潰瘍3例,角膜膿瘍2例,眼窩感染1例および術後感染2例であった。
 分離されたStr.faecalisの薬剤感受性は,ampicillin, penicillin-G, minocycline, doxy—cyclineには感受性を示し,cephaloridine, cefazolin, cefmetazole, kanamycin, gentamicin,chloramphenicol, crythromycin,lincomycin, clindamycinには低感受性であった。
 白色成熟家兎眼に臨床分離菌を接種して,化膿性眼内炎の発症がみとめられた。
 Str. faecatisは常用抗菌剤に抵抗性のことが多く,今後opportunistic pathogenとして眼感染症の重要な原因菌の一つになると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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