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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨床報告

前部硝子体手術を併用したphacolytic glaucomaの水晶体摘出術

著者: 浅原典郎1 浅原智美1

所属機関: 1足利市浅原眼科

ページ範囲:P.1269 - P.1273

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 3例4眼のphacolytic glaucomaについて白内障手術を施行したが,4眼とも硝子体圧がつよい傾向にあった。1眼はあらかじめ前部硝子体手術を行ったところ,良好な結果をおさめた。
 硝子体手術時に採取した硝子体液を免疫電気泳動法にて分析した結果,アルブミン,トランスフェリン,IgGの明らかな増加がみとめられたことから,硝子体への炎症の波及が示唆された。
 手術時,硝子体圧がたかかった原因については,手術までの炎症に対する治療が関係しているものと思われ,直接的には硝子体の炎症との関連性がつよくうかがわれた。
 Phacolytic glaucomaでは,早期に白内障手術を施行する場合,強力な消炎療法を行い,硝子体手術の準備をしておくか,もしくは,あらかじめ前部硝子体の切除,吸引を行っておくことは,硝子体の分析結果からも理にかなった治療法かと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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