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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻12号

1984年12月発行

文献概要

臨床報告

3歳児健康診査における眼位スクリーニング—第2報異常者の長期経過

著者: 神田孝子1 川瀬芳克1 内田尚子1

所属機関: 1愛知県総合保健センター

ページ範囲:P.1275 - P.1279

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 1974年度から1979年度の6年間に3歳児健診で眼科的異常を指摘された異常者383人の長期経過を調べた。まず入学時まで追跡できた者の視力をみると器質的異常のない者では3歳時に弱視であった者を含め全員0.5以上であった。また3歳時に斜視と診断された者で治療中断のなかった者133人の入学時の状態は,外見,機能ともほぼ満足できるものは89人(66.9%),機能的には良くないが外見上は良い者42人(31.6%),無効2人(1.5%)であった。以上から3歳児健診で弱視や斜視をスクリーニングすることは有意義と考える。
 また全異常者の長期経過をみると152人(39.7%)が中断し,その約半数は1,2回の受診のみで治療開始前の中断であった。中断の契機では眼鏡装用を指示されての者が多かった。これらに対しては弱視や斜視の早期治療の必要性および治療法を十分理解させる必要がある。また保健所と医療機関が十分連携することにより中断者を有意に減らすことができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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