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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
Nd-YAGレーザーによる水晶体嚢切開術
著者: 馬嶋慶直1 江崎淳次1 山内和義1
所属機関: 1名古屋保健衛生大学眼科
ページ範囲:P.127 - P.132
文献購入ページに移動(1) Pulsed Nd-YAGレーザーにはQ-switchとMode-locked装置があるが,今回これら2種の装置を用い,KPE術前に前嚢切開を更に嚢外法,KPE,後房人工水晶体移植後の後発白内障切裂術を,また白内障術後における虹彩後癒着についてsynechiotomyを行った。Q-switch装置は,American Medical optics社,Mode-locked装置はMeditec社のものを使用した。
(2)症例は前嚢切開術,後嚢切開術,synechiotomyを含む216例250眼であった。
(3)これら手術に使用したenergy doseは,Q-switch装置では2mJ前後で目的を達し,Mode-lockcd装置ではエネルギー量が一定のため5mJで手術を行った。
(4)合併症として次のものを認めた。
a)眼圧上昇:前嚢切開術後31.8%に,後嚢切開術後13%にみられ,すべて一過性であった。
b)縮瞳:前嚢切開術において3.6%に縮瞳をみた。
c)人工水晶体(PC-IOL)移植術後の後嚢切開術でIOLのレンズ部にピットの形成を認めた。視力その他に影響はみられなかった。
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