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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻2号

1984年02月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

Nd-YAGレーザーによる水晶体嚢切開術

著者: 馬嶋慶直1 江崎淳次1 山内和義1

所属機関: 1名古屋保健衛生大学眼科

ページ範囲:P.127 - P.132

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 我々はpulsed Nd-YAGレーザーを用い白内障手術と関係の深い前嚢ならびに後嚢切開術を試みたのでその結果をのべる。
(1) Pulsed Nd-YAGレーザーにはQ-switchとMode-locked装置があるが,今回これら2種の装置を用い,KPE術前に前嚢切開を更に嚢外法,KPE,後房人工水晶体移植後の後発白内障切裂術を,また白内障術後における虹彩後癒着についてsynechiotomyを行った。Q-switch装置は,American Medical optics社,Mode-locked装置はMeditec社のものを使用した。
(2)症例は前嚢切開術,後嚢切開術,synechiotomyを含む216例250眼であった。
(3)これら手術に使用したenergy doseは,Q-switch装置では2mJ前後で目的を達し,Mode-lockcd装置ではエネルギー量が一定のため5mJで手術を行った。
(4)合併症として次のものを認めた。
a)眼圧上昇:前嚢切開術後31.8%に,後嚢切開術後13%にみられ,すべて一過性であった。
b)縮瞳:前嚢切開術において3.6%に縮瞳をみた。
c)人工水晶体(PC-IOL)移植術後の後嚢切開術でIOLのレンズ部にピットの形成を認めた。視力その他に影響はみられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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