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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
網膜芽細胞腫のglial fibrillary acidic (GFA) protein
著者: 大平明弘1 大島健司1 菊池昌弘2 猪俣孟3 大西克尚3
所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室 2福岡大学医学部病理学第一教室 3九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.155 - P.160
文献購入ページに移動GFA蛋白陽性所見は,腫瘍組織内の血管周囲や本来の網膜が巻き込まれたもの,ロゼット形成のない未分化型腫瘍細胞の一部に認められた。これらの所見は30例巾26例に見られ,その由来はreactive astrocyteと考えられた。
Homer-Wright型とFlexner-Wintersteiner型ロゼットの一部にGFA蛋白陽性所見を認めた。またmitosis像にも陽性所見が見られた。このことから本腫瘍の発生の一部にグリア細胞の関与が明らかとなった。この陽性細胞はグリア細胞への分化が決定された細胞と考えられた。
本腫瘍のロゼット形成は視細胞への特殊分化としてとらえるよりも,ロゼット形成の見られる脳腫瘍と同様に,神経管の再現と考えやすい。
したがって本腫瘍はグリアならびに神経系細胞へのbipotentialityを有する細胞に由来するものと考えられた。
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