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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻2号

1984年02月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

網膜静脈分枝閉塞症の発生要因について

著者: 岡田潔1 鈴木みゆき1 戸張幾生1

所属機関: 1東邦大学大橋病院

ページ範囲:P.165 - P.168

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 網膜静脈分枝閉塞症(以下BRVO)が耳側ことに上耳側に多い原因を調べるため,BRVO 244人244眼と,対照として成人病健診者244人488眼の眼底写真について,動静脈交叉の部位,乳頭緑から交叉までの距離および交叉の角度を測定し,比較検討した。その結果は(1)成人病健診者の動静脈交叉は上耳側が下耳側より多く,鼻側は稀である。(2)成人病健診者およびBRVOの乳頭縁から動静脈交叉までの距離(以下PCと略)は,上耳側が下耳側より短かい。(3) BRVOのPCは成人病健診者に比べ顕著に短かい。(4)下耳側静脈閉塞症はその上耳側に動静脈交叉が少なく,交叉がある場合PCは下耳側の短かいことが多い。(5)成人病健診者およびBRVOの動静脈交叉の角度は,ほぼ等しい。
 以上から,BRVOが耳側ことに上耳側に多い原因は,耳側の血管が曲線的に走行し,動静脈交叉が多いこと,および上耳側のPCが短かいことにあると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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