文献詳細
特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その1)
学会原著
文献概要
網膜静脈分枝閉塞症(以下BRVO)が耳側ことに上耳側に多い原因を調べるため,BRVO 244人244眼と,対照として成人病健診者244人488眼の眼底写真について,動静脈交叉の部位,乳頭緑から交叉までの距離および交叉の角度を測定し,比較検討した。その結果は(1)成人病健診者の動静脈交叉は上耳側が下耳側より多く,鼻側は稀である。(2)成人病健診者およびBRVOの乳頭縁から動静脈交叉までの距離(以下PCと略)は,上耳側が下耳側より短かい。(3) BRVOのPCは成人病健診者に比べ顕著に短かい。(4)下耳側静脈閉塞症はその上耳側に動静脈交叉が少なく,交叉がある場合PCは下耳側の短かいことが多い。(5)成人病健診者およびBRVOの動静脈交叉の角度は,ほぼ等しい。
以上から,BRVOが耳側ことに上耳側に多い原因は,耳側の血管が曲線的に走行し,動静脈交叉が多いこと,および上耳側のPCが短かいことにあると考えられた。
以上から,BRVOが耳側ことに上耳側に多い原因は,耳側の血管が曲線的に走行し,動静脈交叉が多いこと,および上耳側のPCが短かいことにあると考えられた。
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