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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻2号

1984年02月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

急性リンパ球性白血病者にみられた乳頭腫瘍の1例

著者: 小嶋一晃1 斉藤裕1 北川周一1 市川宏1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科

ページ範囲:P.189 - P.193

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 急性リンパ球性白血病の診断後1年経過した14歳男子の片眼に,硝子体への突出度10Dの乳頭腫瘍をみた。眼窩へのライナックX線照射により,乳頭腫蕩は著明に縮小したが,照射前よりみられた視機能の障害は改善されなかった。視機能の障害は乳頭への腫瘍細胞浸潤や乳頭周囲脈絡膜,後毛様体動脈の循環障害による機械的,虚血性変化が神経線維におよんだためと考えられる。したがって乳頭腫瘍には早期の眼窩照射が必要不可欠な有効手段となる。
 以上全身的には末梢血,骨髄像以外著変をみず,放射線療法により著明に消退した急性リンパ球性白血病者の片眼にみられた乳頭腫瘍について報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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