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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻3号

1984年03月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

糖尿病性網膜症の網膜血管床に対する光凝固の効果

著者: 能美俊典1 渡辺正樹1 山本由香里1 瀬戸川朝一1

所属機関: 1島根医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.267 - P.271

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 糖尿病性網膜症患者12例17眼について光凝固前後の螢光眼底像を5ヵ月以内の短期経過時と6ヵ月以上の長期経過時について比較し,綱膜血管非灌流野(NPA)の再造影所見を検索した。
(1)全例のNPAの大半に螢光再造影を認めたが,これら再造影像を便宜上再疎通型(C型),再形成型(V型)および血管新生型(N型)に分類すると短期経過時(平均2.8カ月)より長期経過時(平均12.1ヵ月)において,これら再造影所見が増加する傾向にあり,とくにC型が顕著であった。
(2)これら再造影所見のうちV型の短期経過時と長期経過時で同一箇所を比較するとV型をとどめるものやN型に移行するものがあったが,大多数がC型に移行していた。
(3)以上の結果は,本症に対する光凝固の網膜局所循環改善効果を示すものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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