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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
コーツ病—治療効果の検討
著者: 桂弘1 松橋正和1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.287 - P.291
文献購入ページに移動 コーツ病28例29眼の光凝固および冷凍療法による治療結果と,治療効果を左右する種々の因子について検討し,次のごとき結論を得た。
(1)眼底所見の改善は29眼中22眼76%に認められた。
(2)視力の改善は術前視力1.0未満の17眼中6眼35%に認められた。術前視力0.1未満の症例には視力改善例は無く,視力が0.1未満に低下した場合には,視力の改善は極めて困難であると考えられた。
(3)年齢と治療効果との関連はなかった。
(4)網膜下滲出物の範囲が狭いほど,また,滲出性網膜剥離が存在しない症例の方が,治療効果は良好である傾向は認められたが,血管病変の部位および範囲と治療効果との関連は認められなかった。
(5)長期間放置された症例でも眼底所見の改善は得られたが,視力の改善は,視力低下自覚後6ヵ月以内に治療を開始した症例にのみ認められ,早期治療が重要であると考えられた。
(1)眼底所見の改善は29眼中22眼76%に認められた。
(2)視力の改善は術前視力1.0未満の17眼中6眼35%に認められた。術前視力0.1未満の症例には視力改善例は無く,視力が0.1未満に低下した場合には,視力の改善は極めて困難であると考えられた。
(3)年齢と治療効果との関連はなかった。
(4)網膜下滲出物の範囲が狭いほど,また,滲出性網膜剥離が存在しない症例の方が,治療効果は良好である傾向は認められたが,血管病変の部位および範囲と治療効果との関連は認められなかった。
(5)長期間放置された症例でも眼底所見の改善は得られたが,視力の改善は,視力低下自覚後6ヵ月以内に治療を開始した症例にのみ認められ,早期治療が重要であると考えられた。
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