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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻3号

1984年03月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学術展示

骨髄移植後にみられた重症角膜障害

著者: 田邊詔子1 田渕保夫1 平野潤三1

所属機関: 1名古屋第一赤十字病院眼科

ページ範囲:P.296 - P.297

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 白血病,再生不良性貧血の治療として行われる同種骨髄移植後の対宿主移植片病(Graft-versus-Host-Disease)は,肝,皮膚,胃腸,眼などにあらわれる1,4,5)。眼症状は涙液分泌減少を基盤とするもので,骨髄移植後に高率に発症するが,本邦ではまだ骨髄移植の症例そのものが少ないためか報告例がない。
 当院内科における骨髄移植19例のうち眼症状がみられたものは11例である。症状の大部分は点状表層角膜炎,結膜充血,時に偽膜形成などで視力に影響を及ぼさなかったが,ここに供覧する2例は角膜潰瘍から穿孔を来しそのうち1例は失明した。今までの報告では角膜穿孔をおこしたものは稀で,特に症例2のような重篤なものはごく最近に1例報告3)されたのみである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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